7. 地球一周りの旅・トルコのクシャダス(エフェソス遺跡)とシリンジェ村
<9月27日(日) 気温27度 北緯 37.02度 時差 −6H>
午前7時。トルコのクシャダス港に入港。
港では入港歓迎の踊りが披露されました。
私がこの日の見学先に選んだのは、かって2万4000人を収容できたという大劇場やファサードが見事な図書館を始めとする古代都市エフェソスの遺跡観光と、少し山間に入ったシリンジュ村。
エーゲ海に面するクシャダス港から、バスで30分ほどの場所に、交易で繁栄した古代都市エフェソスがありました。
資料によると、エーゲ海を中心に、ギリシャ文明の発展していたこの地では、紀元前8世紀ころから、豊穣や多産の神としアルテミス神が信仰の対象になって神殿が造られました。
アルテミス神殿は、アテネのパルテノン神殿の造られた時期より、100年も早い紀元前6世紀には、パルテノン神殿よりも倍近い大きさの神殿に造り変えられました。
11世紀にわたった繁栄でしたが、紀元後263年に、この神殿は異民族の侵入により破壊され、その後、キリスト教化が進んだことにより、アルテミス神殿は忘れ去られてしまいます。
その後の8世紀、エフェソスの町は、アラブ人の攻撃を受け、住民は町を放棄、その後、周囲は埋まってしまいました。
1869年に地下7mの地点から、この神殿の遺構が発掘されましたが、そのほとんどの石材は持ち去られており、現在、アルテミス神殿跡には1本の柱が復元されているだけでした。
20世紀に入り、エフェソスの町の発掘が始まり、その全貌が明らかになったのは、最近のことのでした。
1世紀から2世紀にかけてできた、12,000巻もの書物のあったケルルス図書館。
ハドリアヌス神殿
大理石でできた水洗式の公衆トイレ
24,500人収容できた大劇場
大劇場から港まで続く大理石でできた大通り
今年(2015年)古代都市エフェソスはエフェソス遺跡として、世界遺産に登録されました。
エフェソス遺跡見学後、シリンジュ村の見学。
伝統工芸のレース編みなどの工芸品の買い物が楽しめる村という案内でした。
この日は日曜日ということもあってか、観光客でとても賑わいを見せていました。
今日の現地ガイドは、日本語の上手なオズさん。イスタンブールから私たちのツアーガイドのためにやってきました。
オズさんの話によると、現在日本人の観光客は、昨年の2割ほどに激減している。最近のトルコは、国境を接するシリアからの難民の受け入れによる混乱だけでなく、ISによるテロも発生しています。そのことが原因していると思われますが、その反応は日本人に限っている。オズさんは、「トルコは危ない国ではない。危ない国に囲まれているだけ、日本人にもっと来てほしい」と力説していました。
追記
<その後、10月にトルコのアンカラで、自爆テロのため96人の死者のでた事件が起きたことを知りました。>
トルコは親日国としても、よく知られていますが、そのきっかけとなったのが、明治時代の1890年に和歌山県沖でおきたトルコ船の遭難でした。
その時、69人の遭難者を救出したことによって、その恩義を感じていたトルコは、1985年におきたイラン・イラク戦争の際、JALも断った日本人の救出のため、トルコ航空がテへランに救援機を出したという話をされました。
12月6日に帰国した日、TVをつけたところ、日本・トルコ合作映画『海難1890』が12月5日(土)に公開されたとのナレーションが聞こえてきました。トルコと日本の友好125年を記念して製作されたとの説明がありました。
午後7時、船はギリシャのピレウス港目指して出港。