8. 地球一周りの旅・ギリシャ(アクロポリスの丘)
<9月28日〈月) 気温27℃ 北緯37.02度 時差ー6H>
午前6時。ギリシャのアテネの外港・ピレウスに入港。
タンカーからの補給
ピレウスはギリシャの首都アテネの外港として栄えていました。
港からアテネの中心部までは車で30分の距離です。
この日の見学は「アクロポリスの丘観光とプラカ散策」を選びました。
オプションメニューは毎回7~8コースありますが、若者たちのほとんどは自由に散策していますが、シニア世代の多くはこのオプショナルツアーを選んでいます。
古代ギリシャ文明の中心地アテネには、「上の都市」という意味を持つ三方を断崖絶に囲まれたアクロポリスの丘のに、紀元前438年に完成したパルテノン神殿や美術館、また女神アテナと海神ポセイドンが、アテネの守護神の座を巡って争ったという伝説の場所の建てられたエレクテオン神殿などの複合施設がありました。
アクロポリスの丘(海抜100m)
パルテノン神殿
エレクテオン神殿
エレクテオンの6体の乙女の像
丘の南麓には6千人を収容できたオデオン(音楽堂)も1951年に修復され、ギリシャ古典劇、コンサート、オペラなどが上演できるようになっていました。
過去に建てられた神殿は、神や王の権力を示すための神殿でしたが、この神殿は民衆の力と、民衆が築いた都市国家の象徴として建てられたということでした。
しかし、前日に訪問したトルコのエフェソスの神殿と同様に、異民族の侵略でキリスト教の聖堂へ、イスラム教のモスクへと改造され、1678年にはヴェネツィア軍の攻撃により廃墟と化してしまいました。
アクロポリスの丘の東に位置する「ゼウス神殿跡」
1975年、ギリシア政府はパルテノン神殿などアクロポリスの建造物の修復へ本格的に乗り出し、現在もその修復作業は続いていました。
午後は、アクロポリスの丘の東に位置するプラカ地区で自由散策。
午後6時ピレウス港の夕暮れ
午後10時30分ピレウス出港
<9月30日>
船内では、水先案内人講座「ギリシャ紹介」
〜危機の中を生きる人々〜
ギリシャ人の医師でありNGOの活動家によっておこなわれました。
そのギリシャの現状とは、
2009年
・政権交代により財政赤字問題発覚。
2010年
・ギリシャ政府の汚職・無責任な政策が明るみに。 ・ 国際通貨基金の下での管理 が始まる。
・ 緊縮政策のため100万人失業。
2014年
・1950年と同じことがおこっている。→ギリシャのNGOが子供に食事をあたえ ていた。
・ 現在は、ホームレスが増え農家が食物を提供している。
・ 負債があるため、 公 共の支出を抑え、医療費も削減されてる。
2015年
・ギリシャの中級階級の給与は劇的に減ってる。
・ギリシャ人はだらしがないといわれているが、それだけではない。
・ユーロ圏に入ったときに、返済できるかどうか確認せずに、銀行の貸し付けが行われ た。若者の失業率は60%。
・両親が年金で子供をサポートしている。
・ 一生懸命勉強をして大学をでても職に就けない。
・大学で力をつけた人たちはギリシャを出てしまう。
・大戦後の状況と比べて似てきているので大変な状況。
現在は、希望のない絶望的な状況だが、第2次大戦を乗り越えたのだから、今回も乗り越えたい。としめくくられました。
昨年の始めには、ギリシャの政治的動向がTVのニュース番組やネットで注目を浴びていましたが、その後、「シリア難民問題」「ISによるテロ活動」などにより、現在のギリシャの状況は、TVやネットでは見つけ出すことはできませんでした。
紀元前5世紀に、古代民主主義が行われていたギリシャ。
早く復興してほしいと思います。
船はピレウスから地中海を通ってアドリア海に入ってイタリアのヴェネッィアに向かっています。ヴェネッィア到着は明後日10月1日になります。